男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ペーパー・ムーン


DVD購入。

最近はDVDに日本語吹き替え版としてかつてのテレビ放送版が使われることが多くなってきた。フォックスなどが陣頭になって始めてきたことだが、実に最高。

この映画の吹き替えは1983年と84年にTBSがソニーの一社提供で行った「ノーカット10週」でのモノ。CMは途中の一度だけで、ノーカット放送という。当時としては画期的な企画だった。

で、その放送の吹き替え素材はノーカットなだけでなく、異様にレベルがたかったのです。

これもその一本。

ライアン・オニール津嘉山正種(最高!)。テイタム・オニールを今やカツオ声優となってしまった富永みーなパトレイバーの野明)。この二人の吹き替えは当の親子のセリフ合戦に負けず劣らず面白い。というよりも、こちらをボクは先に見ているので、刷り込みのせいでこちらの方に軍配が上がる。

今回も当然吹き替えから先に見ました。

また、途中で登場する、25ドル貰ったら道路の真ん中でもパンティーを下げるダンサー、トリクシー・デライトの吹き替えが小原乃梨子(言わずと知れたのび太。ボクとしては「ハイジ」のペーターだが、洋画吹き替え的にはジェーン・フォンダのフィックス)で、これまた中盤を一気に持っていく。

「25ドルだって……お尻ふりたくなっちゃうわ…(むふ)」

は傑作です。

ピーター・ボグダノビッチ監督の音声解説もなかなか良くて、コヴァックの素晴らしすぎる撮影や、オーソン・ウェルズと友だちだったことの自慢話も凄く面白い。しかもウェルズの言うことがイチイチもっともで良い。

「そのシーンが上手く撮影できないときは、そのシーンに問題がある」

特典にもNG集がいっぱい収録されていて、この映画が撮影されたものである事がわかって、例の気味悪さを味わえる逸品。

映画自体はもうとにかく最高です。監督も言っていたけど、「観客に愛される映画」とはこの事でしょうね。


追記:
吹き替えなんですが、そのときの「マイ・フェア・レディ」も池田昌子さんと中村正の傑作が残っているのですが、今度でるスペシャル・エディションには収録されません。ワーナー……