アニマトリックス
1.Final Flight of the Osiris 「ファイナル・フライト・オブ・オシリス」
監督:アンディ・ジョーンズ
オムニバス中一番直接「リローデッド」に関わる話。ある意味あからさまなフルCGだが、ケツから尻からやたらと緻密な描き込みが笑える。本編中にセンチネル(イカ野郎)が直接人を殺すシーンがあるので、「マトリックス」で致命的な「敵の恐怖が描かれない」部分が補足されている。
日本語吹き替え版では船長の声が大塚明夫さんなので、男ぶりが20%アップ。吹き替え版での鑑賞をお勧め。
2.The Second Renaissance Part1「セカンド・ルネッサンス パート1」
3.The Second Renaissance Part2「セカンド・ルネッサンス パート2」
監督:前田真宏
二部構成のくせにだらだらと長いだけで類型的な設定の説明が延々と続く。かなりの凡作。マトリックスの底が浅くなるような気がするのでちょっと厳しい。
4.Kid's Story「キッズ・ストーリー」
監督:渡辺信一郎
独特の作画とあわせて渡辺信一郎を後述の「ディテクティブ・ストーリー」とあわせて見直させてくれる逸品。
5.Program「プログラム」
監督:川尻善昭
川尻節炸裂の傑作。オムニバス中もっとも好みの作品。音声解説でも述べられていたが、CGではあるがあえて2次元処理表現にこだわっている作品で、それこそ川尻節であることを知っているファンには堪らない。独特の透過光処理での「斬戟描写」の連発や、カットのつながりを極限まで無視してのカッコイイカットの連続描写!
これぞ川尻節の濃縮振りは圧巻の一言。
「合格だな」
などの字面にしてもどうということのないセリフまで無理やり決め台詞にするあたりも、しっかりと川尻節なのも最高。
(川尻を語る上で外せない傑作「ゴクウⅡ」でも、自分を次元誘導ミサイルの標的にわざわざして実験するゴクウが、決め台詞「合格だ!」を炸裂! こちらも身震いするほどカッコイイ)
6.World Record「ワールド・レコード」
監督:小池健
川尻が脚本を書いていることもあって、「走る男」というこれもオムニバスの一遍を思い出すが、こちらは監督が違うだけに妙な雰囲気で表現されている。あまり好みではないがアプローチは面白い。
7.Beyond「ビヨンド」
監督:森本晃司
「プログラム」は番外編として際立って作家性の強い傑作だったが、こちらは単独の作品としてもかなりの傑作。マトリックスの世界観を巧みに利用して独自の短編を産み出した功績は大きく、マトリックスの世界観に対してのフィードバックという意味でも興味深い。
8.A Detective Story「ディテクティブ・ストーリー」
監督:渡辺信一郎
こちらも個人的に大好きな作品。また、この作品も是非日本語吹き替え版での鑑賞をお勧めしたい。主人公の典型的なハードボイルドな探偵をアてているのは、僕の大好きの津賀山正種さん。これが最高。男ぶりが120%上がる。
9.Matriculated「マトリキュレーテッド」
監督:ピーター・チョン
なんだか良くわかんない作品。あんまり面白くなかったなあ。
という感じです。全体的に日本語吹き替え版での鑑賞をお勧めしたい。なのに、本編にはそのクレジットが収録されていない。むうう…