男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

マトリックス・リローデッド★★★1/2

ネタバレ(反転)


冒頭から掟破りのテンションの高さで、観ている方が「おいおい」と突っ込みたくなる。

二つの塔」よろしく前作の回想なんてものはないが、困ったことに途中経過もない。だが、これは最後に「レボリューション」への伏線となるようなので大丈夫か?

前作では言葉しか出てこなかった人類最後の砦「ザイオン」が思い切り登場するが、お金が湯水のように使えるようなので、思う存分描かれます。ただ、ここはそれほど魅力的な世界ではないので、ちょっとダレるかも。
この世界も「機械」に頼らなければ成り立たないと言う矛盾も描かれるし、その機械の仕組みを人類は誰も理解していないってあたりも結構好きなモチーフだ。

と、まあ、こんな事を書いてますが、やっぱり「リローデッド」の見所といえばアクションに尽きるでしょう。

それも、究極の劇画アクション!!

描写の細部がいちいち漫画やアニメで描かれそうな「勢い余った」感覚なのが凄く好みで、それを観ているだけで満喫できます。

劇中でも云われるように、スーパーマンと化しているネオのアクションは、ある意味完全に観客を置いてけぼりにしていますが、チャンネルが合うと堪らなく楽しめます。

カンフーアクションも前作の比ではないほどてんこ盛りですが、今回中盤に登場するセラフと言うアジア・キャラ(人間ではない)に扮するコリン・チョウの動きの切れ味が実に良いので、キアヌの四肢の長さがネックになっているように感じられるのが残念。動きのピタッピタッっていう所でやはりちょっとブレるのだ。前作やスミス達(爆笑)と戦うくだりは同等なので、目立たないんですがね。

で、そのチーム・スミスとの戦いは壮絶の一言です。しかも爆笑も含めて。ヒューゴ・ウィービングが出てくるだけで面白いってのは美味しいです。しかもそれがわんさか。ウォシャウスキーの「わかってる」加減が強烈に伝わるアイデアです。10分近く戦いまくるソレは、クライマックスのカーチェイスに勝るとも劣らない名シーンだと思いました。

そして、カーチェイス

双子とエージェントとモーフィアスたちの三つ巴の戦いで、ネオを巧く絡ませない事によって地に足の付いたアクションを成立させています(ネオが絡むと次元が変わってしまうのが難しい所です)。

双子の亡霊化イフェクトは凄くかっこよくて、「T2」でT-1000が登場したときに「次は"気体"しかないんじゃないか?」と思ったことを、ある意味実現しています。何気に亡霊化するとゴースト・バスターズみたいに凶暴な面構えになるところが好きです。これでもって縦横無尽にモーフィアスたちを追い詰めるのですが、モーフィアスの日本刀で(この入手方法の適当ブリも爆笑必至)一刀両断されてふっとばされる。この吹っ飛ばされるときのイフェクトも凄く楽しい。

トリニティーのバイク・チェイスに関しては、逆走し始めてからのカメラワークの方が特筆で、トラックの下をカメラが潜り抜けて追う。逆転の発想とそのイマジネーションがいいです。尻の穴がきゅってなりますな。

とどめがトラック上でのモーフィアス対エージェントと、ネオの救出。モーフィアスの「弱いくせに頑張る」毎度の奮闘ブリが今回も全開で最高! 日本刀持って(どう考えても卑怯なのに)、強気になるや、例の「指招き」をみせたりして燃えさせてくれます。当然トラックの上なのに、調子に乗って「大ジャンプ膝落とし」も敢行!(避けられるっての)
際にギリギリ着地して結局落ちたりとかの、刹那的な戦いぶりが泣けます。
そして、大爆発での大爆笑のバレット・タイム!! モーフィアスとおっさん二人が宙を舞う中、大爆発という前代未聞のクライマックスを創出!
いやあ、最高っす。

ラスト辺りのSF的などんでん返しも結構好みだったりするんですが、まあこの映画に関しては

ヒューゴ・ウィービングローレンス・フィッシュバーンに尽きるかなあって所です。

決めギメな映像をいっぱい詰め込むってのも映画を成立させるんだなあと違った意味で感心させる作品でした。

エンドクレジットの最後にレボリューションの映像が流れて終わるんですが(クロス・カウンターはやっぱり面白いです。この映画を観た直後だとなおさら)、そのときの最後の最後に盛り上がる音楽がいいです。

ああ、面白かったああ。

追記:しっかし、我らがサイファーことジョー・パントリオーニの抜けた穴はでかい……

なんか、反転するとキーワードだけ残って面白いですね。さっぱりどんな映画か分からない感じが作品を上手く象徴してます。