男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

でっちあげ予告編に観る映画記号論(ウソ)

インセプション』って予告だけは無茶苦茶カッコイイんだよなあ。と以前から思っていたのですが、世の中には同じように考えている人がたくさんいるようで、同じクリストファー・ノーラン監督の前作『ダークナイト』を「インセプションの予告みたいに編集」した人がいました。

観てみたら、「本物の『インセプション』の予告編よりカッコイイ」と興奮してしまいました。まあ、これはボクが『インセプション』があまり好きじゃなくて『ダークナイト』が大好きなのもあるんですが、それにしても、このハンス・ジマー(Zack Hemseyという人がつくった)の音楽と『インセプション』予告編の作りはカッコよすぎるようで、山ほど「インセプション・スタイル」と称して様々な映画をでっちあげていました。

中でも傑作だったのは、『インセプション』とは日本とチリぐらい正反対の『スーパーバッド』をインセプション・スタイルにした予告編。

『スーパーバッド』を観た人ならお分かりのように、まったくこんな映画じゃないんですけど、やたらと「なにかある」と思わせる映画です。そして、本編を観た人ならクリストファー・ミンツ・プラッセ(レッド・ミスト)演じる、マックラヴィンに爆笑すること請け合い。これ作った人すごい。


追記:この予告編で使用されている曲は Zack Hemseyという人が作った予告編用の音楽で、タイトルは”Mind Heist”というそうです。

こちらから1ドルで購入できるようです。

どう考えてもハンス・ジマーっぽいんですけど、無茶苦茶かっこいいよなあ。


で、


でっち上げの予告編ばっかり観ていたら、案の定「別のジャンルにしてしまう」予告編がありました。


そんなかでも傑作だったのが、スピルバーグの『ジョーズ』をハートウォーミング・コメディ風にした予告編。

死ぬほど笑った。タイトルの後に1シーン入れるお約束中のお約束がとにかく面白い。


そして、いちばん大笑いしたのが、『ターミネーター』をラブロマンスにした予告。これはもう観ていただくしか無い。


タイトルの出方がもう……。


ほんとこういうことに無駄に才能を使う人、大好きです!!


映画でも何でもそうですが、「ストーリー」が大切なのは言うまでもありません。ただし、同時に最も大切なのは「どう語るか」です。まあ、そんな小難しい話はどうでもよくて、個人的に映画は(音楽や小説や漫画もそうなんでしょうが)「記号の羅列」だと思っています。「映像」や「芝居」や「音楽」や「音響」が、どのように「編集」されているか。
こういうでっち上げの予告編を観ていると、ホントにそうなんだよなあと痛感します。


ちなみに、こちらが『インセプション』のオリジナル予告編。やっぱりカッコいいや。

もうひとつおまけに、ファンが狂喜の坩堝と化した『ダークナイト』の予告編。