男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

評決

ジェームズ・メイソンを久々に堪能

この映画はボクが初めて自発的に購入した映画雑誌『ロードショー』の新作案内で見たのが最初です。『タワーリング・インフェルノ』が大好きだったボクは、ポール・ニューマンが随分老けていると言う印象が強かったです。小学生のボクにはあまりにも地味すぎるタイトルですし、法廷劇なんてまるで興味がなかったのですが、やけに印象にだけは残っていたんですね。

それから何年かしてテレビで観たときも、やっぱり地味な印象しか無くて、逆に当時お気に入りだったジェームズ・メイソンがさらに老けていると言う印象でした(そればっかりだな)。

ポール・ニューマンが去年亡くなって、スターチャンネルで追悼特集されたときに放送されたのですが、録画したきり観ていませんでした。

家の奥さんもボクも「家で観られる映画と観られない映画がハッキリしない」という状態が続いていて、今回一念発起して家にある映画をデータベースで整理することしたのですが、本の整理と同じで「とうぜん途中で中断」する訳ですよ。

数日前に家の奥さんが「AFIが選んだ様々なジャンルのベスト10」を話題にしていて、この映画も「法廷劇ベスト10」の4位に入っていたんですね。「そういえば久々に観たいなあ。家にあったっけ?」となってたもんだから、早速データベースほっぽり出して観始めたんですね。

今観ると「地味」なんじゃなくて、「渋い」んですよねえ。シドニー・ルメットの抑えに抑えた演出とか、デビッド・マメットの脚本とか凄くいいんですよ。そして何よりアンジェイ・バートコウィアクの撮影がまた激シブでいいんですよねえ(監督になった途端へんな映画ばっかりつくってますけど……)。たぶんハイビジョンの効果が大きいんだと思います。テレビの放送やビデオだと、あのボストンの寒々とした感じや、役者の渋いシワや、古い建物の美しさなどが全然味わえないんじゃないでしょうかね。やっぱり映画を観るときは出来るだけ高画質で観たいと再確認できました。地味な映画なのにすごい高画質驚きましたよ。

そして、ジェームズ・メイソンがいいんですよ。いかにもやり手の弁護士という感じで、プロフェッショナルな感じがして実に渋い。中でも予期せぬ証人が現れた時なんて、無言で部下を調べにやったり、動揺しつつも瞬時に対応する感じがね。また、証人尋問に向かうときも、「おいおい、聞いてないよ……まいったなあ。うまくやりやがって……どうすべかなあ」とあれこれ考えを巡らしているのが最小限の動きで伝わるんですねえ。あそこら辺最高でしたよ。

いやあ、最近はこういう映画がたまらなく良く感じるなあ。やっぱり若いときには味わえない良さってのがあるんでしょうねえ。



そういえば、ブルース・ウィリスが出てるって書いてあるんだけど、全然気付かなかったなあ。