男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ロスト・バケーション』★★★

滅多に観られない真面目なサメ映画登場!

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出てくる男どもがとことんダメなやつらなのも、清々しさすら感じさせて、どこか懐かしさすら覚える高ポイント。「だよな!」の連続展開と、どんどん主人公が追い詰められていく粘着質な展開は大好物です。手持ちの布石が全部外されるあたりもガッポーズもの。

傑作『オープン・ウォーター』路線にはいかす、活劇路線に突入するクライマックスへの持っていき方も燃え燃えで、冒頭の作劇の不穏さが巧妙にミスリードしている。こうこなくっちゃな! というサメバトルに喝采

それにしても、あの酔っ払い野郎の観客全てに殺意を抱かせながらも、苦笑するしかないようなお約束な末路には「溜飲がさがる」としか形容のしようがないww

実はカモメ映画でもあるわけですが、CGではなく実物を使ってると知って驚いた。確かにナチュラルな良い芝居してましたもんねえ。カメラがまた絶妙にフレームの端に捉えていたりして良いんですよ。アイデアの元は『キャスト・アウェイ』のウイルソンかもしれませんね。

カモメの存在は、お遊びとかではなくて、作劇上大変上手いアイデア。終始画面に映ることで画面に変化を観客にゆとりを。主人公が食べちゃうんじゃないのかと薄っすら思わせておいての、実は治してあげるくだりはかなり重要な転換点で、観客をがっしり味方につける。


こちらが陰鬱なサメ映画の極北とするなら、今回の『ロストバーケーション』は爽快なサメ映画として大変楽しめる作品になっていました。