男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ヘイル、シーザー!』★★★

ローレンツ

<TOHOシネマズ六本木スクリーン9>

コーエン兄弟の「ただ単に気楽に作ろう」という気合を十分に感じる快作でした。

名手ディーキンスも「そらきた」と自分のやりたい放題な感じで、こんな機会でないとやれないとばかりに、ミュージカルシークエンスではアクロバティックなカメラワークを披露。

なにより、「だったら我々も気楽にやらしていただきますよ」と言わんばかりに、集められた豪華キャストたちも普段なら思っ苦しい顔面を披露しなければならないところを全力で「気楽」にやっています。

主人公のジョシュ・ブローリンに全部おまかせとばかりに、ジョージ・クルーニージョージ・クルーニーであることを最大限に活かしたジョージ・クルーニーぶりを遺憾なく発揮してイチイチ笑わせる。そうきたら、「だったらこうしてやると」ばかりに、会心の往復ビンタを観客がお腹いっぱいになるほど浴びせかけるブローリンも素晴らしい。

チャニング・テイタムも己の役割をいつもどおり熟知している「一つだけの表情」で全編乗り切るし、イギリス監督の苦悩をカリカチュアライズしたローレンス・ローレンツ監督(何だ、その名前w)を楽しそうに演じるレイフ・ファインズも最高。「その身振りをヤメろ!」


何しに出てきたのかさっぱりわからないスカーレット・ジョハンソンとジョナ・ヒルも、画面に華を添えているという意味で実に往年のハリウッド映画的手法ではないでしょうか。


観ている方もホントに肩肘張らずに楽しめる上に、存外に溢れ出てくるコーエン兄弟の素直な「映画愛」にちょっぴり感動すら覚える楽しい映画でした。


おすすめです。