男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ゆうきまさみの『機動警察パトレイバー』全22巻を再読

ゆうきまさみの品のいいユーモアが最高

何度も読みなおしていますけど、やはり「ゆうきまさみ」作品だなあという感動があります。

22巻という長編ですが、一つ一つのエピソードがダラダラしておらず、水増しも特になく、キチンとまとまっているのが大変美しい。他のメディア版と違って「内海」というラスボスが設定されているのも、貫通目的がピシっとしていて気持ちがいい。番外編とも言える傑作「廃棄物13号」シリーズでもちゃんとシャフトが絡んでくる展開が素晴らしい。

加えて、大きなエピソードとエピソードの幕間に挿入される短編的なエピソードも大変コミカルで和やかで楽しい。

各キャラクターもアニメ版とは違って野明や遊馬の成長譚としても抜群に良く出来ていて、特に遊馬が篠原重工の汚職に悩み二課で浮いてしまうエピソードなどはゆうきまさみのキャラクター描写が冴えに冴えていてたまりません。クライマックスで不安になる遊馬を真正面から見据えて静かに啖呵を切る野明の顔面の描画も「これぞ漫画だな」と唸らされるほど素敵。

後藤も内海との電話のやりとりなどは本編中随一の傑作シーンだし、南雲隊長が「普通にキチンとした第一小隊の隊長」というキャラを守っているのも安心できる。(勿論アニメ版のキャラも大好きですが)


そして、何より楽しいのはやっぱりゆうきまさみのユーモアセンスですよね!


よくもまあ、こんなに毎度「粋でスマートで笑える」セリフや描写を思いつくもんだと感心します。あのユーモア感覚は日本の漫画界でもなかなか貴重なんじゃないでしょうかね。「ギャグ」じゃなくて「ユーモア」なんですよねえ。


こうなってくるとゆうきまさみ作品も読み返したくなってしまうんだよなあ。『じゃじゃ馬』いっちゃうかあ!