男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『リンダリンダリンダ』

リンダリンダリンダ [DVD]
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スクリーンで観ることによる没入感

数年前、ボクはこの『リンダリンダリンダ』をWOWOWで観てすっかり惚れ込んでしまい、猿のように毎日観ていました。

日本の学園映画の中でも屈指の傑作なんですが、これを山下敦弘監督の作品だというのも何かしらの奇跡を感じさせますよね。彼のフィルモグラフィーでも異彩を放ってますから。

元々が映画コンペで選ばれた企画が彼に回ってきたという経緯ですから、結果的に彼と向井氏による脚本によってまるで違うものになったとはいえオリジナルでないというのも大きいんでしょうね。

それはさておき、この作品をスクリーンで観られるということが、今回の「シネパス」の企画の中でも個人的に一番の目玉でした。観たくて観たくてたまりませんでしたから。

果たして、スクリーンで観た『リンダリンダリンダ』は、やはり映画は劇場で観るのが前提ということを再認識させてくれました。

山下敦弘監督特有の長回しや引きの画作りなどによって描写される地方高校での文化祭は、成功の大きな鍵にもなっているあの本当の高校校舎の古びた感じも含めてたまらなく引き込まれてしまいます。引きの画もやはり大画面で観ないと意味を成さないし。

そして、今回観たイオンシネマ板橋の1番スクリーンでの上映では、サウンドが明瞭な上に最大限のボリュームで映写してくれたようで、ソフトや放送では到底体感できないような感動をさせてもらえました。

多方面で様々な影響を生み出して、すでにある種の「名作」の仲間入りを果たしているような作品ですが、今回スクリーンで改めて観ることによって本当の「傑作」であることを確信しましたね。


DVDに収録されている監督と脚本の向井氏による音声解説は本当に面白いので(レンタル版には未収録)、ぜひ購入して聴いてみてください。