男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

懐古劇場その1『フライングハイ』

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思い出は美化されるが、それはそれでいい

もともと重度の懐古主義で、多分高校生ぐらいの時には懐古し始めていたんじゃないかと思えるほど、「昔はよかったな」と現状に満足しない人間です。なにせ、中学生の時に『若大将シリーズ』にハマって、知りもしない高度成長期の日本に強く憧れを抱いていたので。

まあ、そんなことはおいておいて。

最近やたらと子供の頃テレビで夢中になって観ていた映画をもう一度観たいと思う日々が続いています。何故かと言うとこちらの『31年前の映画日記』にハマってしまったからです。

もともとブログ主の方のHPである『映画の窓ぎわ』が大好きで、こちらのイーストウッドのコーナーや、今では全く知られていない『カプリコン・1』のバージョン違いの話とか大好きだったんです。

で、数か月前に自分が子供の頃毎月愛読していたビデオ雑誌のタイトルが思い出せなくて色々調べていたら、上記の『31年前の映画日記』に辿り着いたんですね。読み進んでいくと、ハッキリと『映画の窓ぎわ』さんのブログだと分かって狂喜乱舞。しかも内容が、31年前の映画日記をちょうど31年後の日付に合わせて再掲載&現在の筆者の方の解説でアップしているという感涙モノの代物。ボクとちょうど10歳ほど違う方なので、1975年あたりから始まる日記がちょうど中学生。しかも、『ジョーズ』を名画座に何度も何度も観に行ったり、イチイチ面白いのです。加えて当時のテレビで放送された映画劇場の様子なども克明に記されており、試写会の情報や『ブラック・サンデー』上映中止の顛末などなど、体験した人ならではの臨場感で楽しめます。ある種のタイムマシンに乗っているような気分で、物心ついていない時代の様子が堪能できて、ボクにとってはこれ以上ないほど楽しいブログなのです。こちらを毎日寝床で寝る前にチマチマ読むのが最近では一番の楽しみだったりシます。

というわけで、俄然自分自身の31年前の衝動が蘇ってくるわけですね。つまり1980年代=ボクが映画青春時代を送っていた頃です。

何度も書いていますが、1981年9月30日に水曜ロードショーで放送された『ジョーズ』を観てからがボクの映画世紀元年。

この80年代は映画ファンにとって非常に重要な転換期でもあるのです。それは『ビデオ』の爆発的普及が始まった年代でもあるからです。

思い起こせば自分の父親も映画ファンだったので、1970年代後半にはVHSを所有しており、記憶の片隅には残っていました。ただ、1981年頃にはもう家にはなくなっていて、経済的な理由で手放したんだと思うんですが、黒いビクターの120分テープが9本だけ残っており、自分が初めてビデオを購入してもらった時にはそのテープに重宝したものです。信じてもらえないかもしれませんが、当時ビデオテープは一本3000円前後したんですよ。今のパッケージよりも高いw

自分が初めてビデオデッキを入手したのは1983年5月23日なので、1981年9月30日からの約一年半というのはビデオのない時代だったわけです。思い起こせばこの一年半という年月は小学校高学年という精神的時間の最も長い期間に当たるので、それはそれは苦しかった思い出があります。なまじビデオという存在を知っているだけに、その日テレビで観る映画に対して真剣だったわけですね。次にいつ観られるか分からない。この感覚は上記の『31年前の映画日記』でも随所に観られる指摘ですが、この感覚はなかなか今では理解し辛いと思うので、それを体感できただけでも貴重だったと思います。

そして、ビデオデッキが爆発的に普及し始めたのが1984年頃で、この頃になると各家庭に1台は購入され始めていたと思います。

それに呼応するように日本でもワーナーによってレンタルビデオが開始され、レンタルビデオ店が乱立して一大ブームが巻き起こるわけです。

そんな1980年代前半の時期に観た映画というのは良かれ悪しかれ記憶の深層に深く刻まれているんですが、大人になってから観直す(観直せる)映画というのはそれほど多くないんですね。大人になってからも記憶には残っているんですが、結局録画したビデオを上書きしてしまったり、テープそのものがダメになって捨ててしまったりで観返すことがなくなってしまう。

ですが、『31年前の映画日記』を読んでいると、俄然当時夢中になっていたけど、大人になってからはちっとも観返していない映画を観たくなったというのが、事の起こり。


・・・


長ったらしく説明しましたが、要するに子供の頃夢中になって観ていた映画を観返したくなったわけです。

と言っても、DVDバブルも過ぎ、レンタルショップにも有名どころしか並ばなくなった現在、ちょうどその頃観ていた映画というのは隙間のようになってしまっており、置いてある店も少ないんですね。

で、TSUTAYAの渋谷店なんかはレンタル可能な商品は可能な限り置くという素晴らしい主義のもと、DVDどころかビデオまで置いてある素敵なお店。

今回久々に都内に出る用事があったので、近所のTSUTAYAには置いていない作品を中心にして何枚か借りてきました。


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最初に観たのはズッカー兄弟とジム・エイブラハムの三人が作った、パロディ映画の名作『フライングハイ』

まあ、子供の頃テレビで録画したのを何度も何度も観ていましたよ。こういうパロディ系の映画って子供の頃観るとたまらなく面白いじゃないですか。で、逆に言うと今観るとどうなんだろうというw

ある種の不安を抱えながら観たんですが、半分的中という感じで。

ほとんどのギャグを憶えてしまっていて新鮮さがないというのも大きいんですが、まあそんなに面白く無いというねw

半分ぐらいは「苦笑」混じりで観ているしかないんですが、中には今観ても笑えるギャグも多くて、歴代コメディ映画ベスト1とか言われると冷や汗が出てしまうにしても、面白い映画ということは確かです。

やっぱり、グラサンを外してももう一つグラサンをかけているとか、回想シーンのセリフがどんどん関係のないセリフになっていくとか、鉄板で笑ってしまうギャグというのはあるので、個人的な趣味も大きく関係してしまいますね。

それでも、自分の「笑い」に対してのある種のマイルストーンになっているのは確かで、子供の頃この映画に夢中になったのはやはり懐かしくもいい思い出というわけです。


あ、一番笑うギャグはエンドクレジットの最後にあるので、お見逃しなく。