男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『アメイジング・スパイダーマン』★★★

タイタニック』以来のとしまえんIMAXで観てきました。3Dです。

奥さんが初めてだったので、ちょっと後ろの席にしたんですが、シネスコサイズというアスペクトもあって視野角いっぱいに広がる「体験」感は少し弱くなりますね。『ダークナイトライジング』は絶対にもっと前の席にしなければ。

サム・ライミ版の『スパイダーマン』トリロジーはかなりお気に入りだったので、今回のリブートにはさほど期待していませんでした。結論から言うとサム・ライミ版に充満している『スパイダーマン愛』と『コミック→映画への置換力』では到底及ばないものの、スパイダーマン映画としては結構楽しく観られました。

この映画の弱点は何と言っても前半部分です。とにかく冗長でだらだらとなかなかスパイダーマンが登場しません。せめて超人力を身に着けてアレコレやってくれてもいいと思うんですが、それに至るまでがまた長い。

また、アメリカ映画は猫も杓子も「親と子の」みたいな筋立てが好きですが、個人的にまるで興味が無いので、父親が研究していた蜘蛛パワーを身につけるという「選ばれた者」風な設定が好きになれません。サム・ライミ版のように「たまたま蜘蛛に噛まれて超人力ゲット」のほうがどれほど感情移入できることか。しかも、だからこそ「無作為に選ばれて得た力」に対する責任感というテーマも重くなるんじゃないでしょうか。「父から子」みたいなもん、他人の家のことみたいでどうにも知ったことじゃないといいますか……。

また、トビー・マグワイアによる完璧に無着色なピーター・パーカー像に対して、今回のアンドリュー・ガーフィールドはあまりにも分が悪い。高い演技力のおかげで観ていて納得できるんですけど、根本的にエマ・ストーンに惚れられたんだから、ちょっとは世間のためにがんばれよと意地悪な見方になってしまう。トビー版ピーター・パーカーの「なにからなにまで、やることなすこと上手くいかない」完璧ブリと比べるとあまりにも恵まれすぎていますよ。

とはいえ、原作通りのウェブ射出装置を自分の家でセコセコ作るDIY精神は高く評価できるし、それをクライマックスで捻り潰される事によって生み出されるピンチの作り方は、クリフハンガーアクションに緊張感を生み出していて高ポイント。

そして、IMAX3Dによるスパイダースイングのシークエンスは、どれもこれもおしりの穴がキュっと縮むこと請け合いの高所恐怖感が味わえます。あれはIMAX3Dで観てよかったと思える瞬間でした。前半部分でほとんど3D感を演出していなかったのは恐らく演出上の計算だと思います。それぐらい後半の畳み掛けるスイングアクションは燃えます。

スパイダーマンの蜘蛛アクションが堪能できるという部分と、ピーター・パーカーがあまりにも辛い世間の荒波に翻弄されないモラトリアム期間で終わった今回のストーリーは、純粋にスパイダーマンの冒険を堪能できる作品だと思います。助けた子どものお父さんがクライマックスで協力してくれる展開もスパイダーマンならではでグっときますしね。

ただ、少なくとも3Dで観たほうが絶対に面白い映画だと思いますし、環境が許すならぜいIMAX3Dでの鑑賞をおすすめします。

サム・ライミ版は本当によくできていると今回のリブートを観ていて痛感しました。激燃えのオープニングクレジットや、いちいちピーター・パーカーの若気の至りに感情移入させる一作目や、アメコミ映画史に残る二作目は必見。

二作目はこの超燃え予告も必見。

Lacrimosa Dominae - Trailerhead
Lacrimosa Dominae - Trailerhead
激燃えの音楽は予告編用のオリジナル。こちらで購入できます。他にも色んな映画で使われているので聴いたことのある人は多いでしょう。