男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

大友克洋原画展に行ってきました #大友原画

http://www.otomo-gengaten.jp/

会場は秋葉原の元小学校をアトリエなどのスペースとして改築した場所。家の奥さんは以前にも行ったことがあるのですぐにたどり着きました。

10時半会場で9時45分頃に着きました。その頃はまだお客さんもまばらで、校庭の桜の下でぼーっとしていました。

時間が近くなると中のカフェで各々待つことになり、会場前には整列させられて入場。

とりあえず人の少ないうちにと、奥さんとふたりで金田のバイクと童夢の「ズン」壁へ。

金田のバイクは圧巻の完成度で、またがった状態で気分は完全に金田。

「アンチロックブレーキと……一万二千回転の二百馬力……」(そりゃ鉄男だ)

ズン壁もやたらとキチンと作られていました。家の奥さんはあやまりながらもジョジョ2巻でディオを吹っ飛ばす「衛生観念もないたかがじじいの浮浪者」の真似をして壁をぶん殴っていました。

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最初のフロアはカラーのイラストや初期作品(要するにアキラ以外)の原画、それとアキラのカラー原稿(単行本収録に際して描き直す前のもの!)や同映画版ポスターなどなど。

アキラの映画と言えばあの有名な金田がバイクに歩いて行く後ろ姿のポスターですが、なんとこれは原画の展示なし。どういう事情なのだろう?

あの緻密さからして巨大なケント紙に描いて縮小しているんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、原画は通常の漫画の原稿サイズ。それが逆に凄まじくて、あのサイズにあの緻密な作画が文字通りペンなどでされているのが本気で凄い。しかも、一発描きとしか思えない(もしくは印刷した)イラストや扉絵や口絵などは驚愕のクオリティ。

もうあれですよ。「生きてる! 動いてる!」ですがな。

童夢の有名な逆俯瞰の団地見開きなんて圧巻の絵画。

また、単行本未収録で読んだことのない初期作品のページなんかも展示されていて、「ああ、早く全集とかにして出して欲しい」と思わずにはいられませんでした。

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転じて目玉の『アキラ』全ページ原画展示。

確かにどのページも「うおおお」と驚くこと必至なんですが、問題は展示方法。

クリアケースに何段にも分けてずらっと並べてあるんですよ。なので一番上の原画は見やすいんですけど、下のは重なってしまってしゃがまないとまともに見られない。しかも、しゃがんだってほとんどじっくり見ることは不可能。その時は空いていたのでじっくりと根性入れて見ましたけど、帰り際には大混雑になっていたので、あの状況でじっくり見ていたら迷惑千万まちがいなし。

もうちょっと何とかならなかったのか?

教室という展示スペースはもっとあったのですから、壁にずらっと並べたって全ページは可能だったと思うんですよ。

あれは、どう考えても主催者側の都合というか……

ほんと残念でした。

ただ、まあ、それでも原画で見る『アキラ』の圧力はほんとすごかったですよ。見開き関係のページなんかもう。しかも、ただ緻密に描いているだけじゃなくて、キチンと省略してあったりする部分もわかって、印刷されたページで読む効果を最大限に意識しているなあと思いました。それとやっぱりあんまり「修正感」がないんですよ! KCデラックスのページをバラして展示してんじゃないの? と思われてもおかしくない。ははは。

こんな機会はそうそうない(多分二度と無い)でしょうから、ファンなら絶対に行くべきだとは思います。

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物販コーナーはちょっとしょぼかった……

どう考えても500円の図書カードが1500円ってのはないだろうし、ポスターももっと色々と絵柄があってもよかったんじゃないのかなあ。

まあ、すべては復興のチャリティーにもなると思えば納得できます。たとえ「金田のバイクにまたがるのに500円」とか言われてもね。

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一番嬉しかったのは世間的には過去の人になりつつある大友克洋なのに、ちゃんと若い人達も大勢来ていたってことですね。やっぱり漫画がずっと残っているってのが大きいんですよね。だから、新連載も始まることだし、ここは固いこと言わずに今までの漫画全部単行本にしてまとめてくださいよ。お願いします。


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