男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

驚愕の『タイタニックIMAX3D』体験

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まさに「タイタニック・ライド」を体感できる異様なクオリティ

本日先行公開された『タイタニック3D』をユナイテッドシネマとしまえんIMAXで鑑賞してきました。いや、鑑賞と言うよりも「体験」という言葉が相応しい、壮絶なアトラクション体験でした。

キャメロンの3Dに対する怨念とも思える執着は、どこか醒めた感覚で接してきていました。『アバター』がそれほど好きではないことも原因なのですが、3D映画そのものに対するアレルギーがあるのも否定できません。妻もよくいうのですが、「3Dはディズニーランドやユニバーサルスタジオのようなアトラクションでこそ効果があるんじゃない」というのが大きな理由の一つかもしれません。

ところが、今回IMAX3Dで体験した『タイタニック』は、まさに劇映画がアトラクションと見事に融合している神業といってもいい仕事でした。キャメロンが以前からよく言っている「2001年宇宙の旅は映画館で観なければ本当に観たとは言えない」、「タイタニック一緒に乗船している気持ちになってもらうには3時間という上映時間が必要だった」という言葉がまさに「これがやりたかったのか!」と、

「言葉」でなく「心」で理解できた!(ペッシ)

見比べていないので断言はできないけど、おそらくIMAXの設備でないとこの「ライド感覚」は到底味わえないと思う。理由は二つ。

1.視野角いっぱいに広がるスクリーン

これはただ、大きいというのではなく、上下左右の壁から天井までを画面で埋め尽くしている事によって、通常の劇場とは違い視界を覆い尽くすような効果を生み出している。特に3Dの場合は「フレーム」によって臨場感が大きく損なわれるが、IMAXのスタジアム視聴スタイルによってまさに「スクリーン」の中に引きずり込まれるような錯覚を味わえる。まるでIMAXの回し者みたいだが、事実だから仕方が無い。

実際、今回のIMAX3D版のタイタニック(『アバター』もそうだったように)IMAXデジタルのアスペクト比に合わせて上下のマスクが多めに空けられている(場面によっては左右のトリミング、これはキャメロンがもともと圧縮レンズを使わずに上下を多めに撮影しておいて各プログラムに合わせてアスペクト比を調整するため)。

2.通常の劇場とは比べ物にならないケタ違いのサウンドシステム

おそらく、この音響設備こそがIMAXの真の肝だと思うほど、とにかく異常なほどハイクオリティかつド迫力の音量。LIVEと同様「身体」で音圧を感じることができる。

後半の阿鼻叫喚のパニックシーンでは常に不気味な水の音や船体の軋みなどが絶え間なく場内に響き渡り、かと思えば助けを呼ぶことも出来ず立ち尽くすローズのシーンでは不気味なほど船内が静まり返る緊張感が厭というほど体感できる。まさにキャメロンの演出意図がフィルターなしに直接理解可能。


また、多額の費用をかけた2D→3D変換処理も、まさに「怨念」が感じられる超絶クオリティ。タイタニックの巨大さを執拗に演出する前半の各ショットで、徹底的に高さや大きさを3Dによって強調されており、結果後半における沈没シークエンスの恐怖感が倍増。『タイタニック』がディザスター映画として優れている部分は、舞台となるタイタニックそのものの存在感に大きく拠っているので、その効果は絶大だ。

可能ならば絶対にIMAXで観ることをお勧めします。

本気でシネコンにはすべてIMAXを常設して欲しいと思うほどです。3Dとか云々よりもまずは「映画」の根源的なアドバンテージである「家では絶対に味わえない巨大なスクリーンと大音量」をこれほど全面に押し出したシステムはないわけですから。アメリカでブームになっているのも大きく頷けます。

「映画を映画館で観る」というアトラクション=イベント性を強く打ち出すことこそ全体の興行の底上げにつながると本気で思いました。

そして、過去の作品の「3D化」よりも、「IMAX化」によってリバイバルをしてほしい。

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さて、公開当時も何度も観ている『タイタニック』ですが、間違いなく今回の視聴がもっとも「感動」しました。これは上記の理由で尋常ではないほど作品に没入した結果なのですが、この作品はまぎれもなく「ローズ」が主人公なんだなと強く意識させられました。もともとキャメロンは女性が異常事態に追い込まれて「強く」なる作品ばかりで、この作品はその集大成といってもいい。(そういう意味でも『アバター』はなんかちょっと違うんだよなあ)

今回前半のロマンスシーンが強く印象に残ったのも、キャメロンの意図している視点誘導や編集のタイミング、そしてアングルなどが3D&IMAXによって強調(認識しやすくなった)ために、より「ローズが主人公」という部分が強く感じられました。

オープンセット(実物大のタイタニック)によって生み出された、自然光や風による細かい動き、ちりやほこりなどのエレメンツまで狂気に近い作業で一つ一つ3D化されているのも没入感を強めている部分でしょう。

その効果が最大限に発揮される有名な「船首でのキスシーン」など、今まで観た中で一番感動しましたよ。


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タイタニック』は紛れも無くディザスター映画である。

氷山の衝突から沈没してローズが助けられるまでをほぼ完全にリアルタイムで描写するという、常軌を逸した……しかし、映画ファンが誰もが望んでいた地獄絵図を執拗に描いてみせる。徐々に水没していくステージを舞台に、ローズとジャックが危機また危機を乗り越えて、「悪魔の沈没ツアー」に観客を強制同行させるという部分でもオタクがもっともこの手の映画に求めているアプローチだ。不謹慎なのは百も承知だが、『タイタニック』の沈没を完全に再現することで生まれる迫力と、ディザスター映画としての興奮は実際比類がない。「持ち上がった船尾が途中で折れて更に屹立する」なんてシナリオは想像しても誰も書かない。映画史を見回してもコレ以上迫力のあるクリフハンガーアクションは他にないと思えるクライマックスは、キャメロンの徹底的な活劇魂が炸裂する名シーン。3D&IMAXによる高所恐怖感は何物にも代えがたい興奮を味わえる。

そして、同時にこの映画の(キャメロンの)もう一つのテーマである「テクノロジーに対する不信」も色濃く反映されている。巨大なエンジン部分をはじめとして、タイタニックそのものをフェティッシュに描く「言い訳」にしてはあまりにもキレイにテーマと合致しているのも見事だ。

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キャラクターの細かい行動を適当に描いていたりする部分が多く、シナリオとしては大味なところもあるのですが、やっぱりキャメロンの主旨は「地獄の沈没ツアー体験」に決まっているのですから、そこはあまり気にしてはいけないのかもしれません。

それにしても、ローズがジャックのスケッチブックを取り上げるシーンぐらい、もっとなにか上手なシナリオが書けなかったのかよ? ははは。

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ほんとに今回の「体験」は久しぶりに映画への熱い気持ちを呼び覚ましてくれるほど強烈なものでした。IMAXで上映される映画は今後できるだけIMAXで観ようと心に誓いました。

アナログのIMAX時代は新宿で観ていたのですが、デジタルIMAXのメガネは大きなサングラスのような形態なんですね。ツルの力も強くメガネごと覆い隠すのでほとんど違和感は感じませんでした。ただ、涙を拭う時に指が入らなくて困りましたよw ええ、もうローズが「初めて逢った場所よ」ってあたりから涙が止まりませんでしたよ!!


オススメです!!!


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間違いなく今回の3Dバージョンと一緒にブルーレイ化されるんでしょうね。

今話題の4Kプロジェクターなんかだとホームシアターでもあの迫力が少しは味わえるのかもしれませんね。噂では『アバター』も凄いらしいし。

ホームシアターの夢の目標と言ってもいい基準が今回出来な気分です。



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サントラのアニバーサリバージョン。日本国内版は全然ダメなので、改めて購入するならこちら。『バック・トゥ・タイタニック』に後半のパニック音楽が大量に入っていますからね。