男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『悪を呼ぶ少年』★★


退屈で眠くなる

監督のロバート・マリガンは『アラバマ物語』で有名な監督だが、この作品も一部で熱狂的なファンがいるという。去年遂にDVD化されたので今回観てみた。作品のクオリティは優れいているが、肝心のネタは開始早々察しがつくし、ハードルを自分の中で上げすぎたのかイマイチ乗りきれないままエンディングという結果になってしまった。

マリガン監督独特の「白日夢」のようなふわふわした演出は作品の特色をよく表しているし、それにこたえる名手ロバート・サーティースの撮影も抜群の巧さを見せる。空撮の的確さや、パンニングをしながらのズーム、手持ちかと思わせておいてカット尻ではピタっと固定されるショットなど、唸らされるものも多い。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽も相変わらず作品の特性をよく理解した美しくも少し気味の悪いフレーバーが漂うもので、決して目立つものではないがクオリティは高い。

双子の子役をはじめ、どことなく現実味を欠いた気味の悪い役者陣の好演も見事だ。

ただ、やはり原作も書いているトマス・トライオンのシナリオが根本的にインパクトが薄い。1972年という空前のオカルトホラーブームの直前という時代背景を考えると充分巧みでショッキングな内容だとは思うが、いかんせんどうにも眠気が襲ってくる内容だ。

もっとも、あの「壺の中」のアレは異様な気持ち悪さがあるし、何よりもジャケットのインパクトは凄い。あれで大分損をしているとも思えるのだが。