男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』★★★★

問答無用のモダンアクション映画の頂点

<109大阪エキスポシティレーザーIMAX

去年のオープン時の「ジュラシック・ワールド」に続いて、久々に大阪エキスポシティに遠征してきました。

2回連続で鑑賞。

初回は最後列、2回めはエグゼクティブシート中央。


21世紀アクション映画の革新的作品とも言える『ウインター・ソルジャー』から2年。今作はマーベル・シネマティック・ユニバースの新作であり、『アベンジャーズ2.5』とも言える作品になっていますが、わたしにとっては何よりもルッソ兄弟による新作映画としての期待が最大。

そして、『ウインター・ソルジャー』と違ってマーベル・シネマティック・ユニバースなり『アベンジャーズ』なりの「枷」がありつつも、期待を上回るエモーショナルなモダンアクション映画をまたぞろ誕生させてくれたことが何よりも嬉しかったです。


数多くのアクション・シークエンスで多種多彩な芸当をぶち込んで攻めてくれましたが、『ウインター・ソルジャー』路線としては、バッキーのマンションでの戦いからの三つ巴の追撃戦に雪崩れ込む序盤のアクションが出色。ルッソ兄弟チームのお家芸とも言える「ソリッドな編集」「スピードに絶妙に遅れるカメラワーク」「質量と慣性を感じさせるジャンプとクラッシュ」「上下左右に振り回す音楽的リズムの視線誘導」などなど、どれもが『ウインター・ソルジャー』に匹敵するか、さらにボルテージをあげて観客を殺しにかかってきます。特にブラックパンサーが加わってからのトンネル内のカーチェイスは失禁モノのカッコヨサ。「突っ走る」ことがアクションの最大の燃えと思う人間としては、超人ならではの「走りで車と張り合う」あのアイデアは度肝抜かれました。挙句にクラッシュ大回転する車の前方を全力疾走するキャップを望遠で捉えたあのカット!

車のCMですが、チェイスシーンの凄さは味わえます。


そして『シビル・ウォー』が『ウインター・ソルジャー』と大きく違う点もやはり『アベンジャーズ2.5』としてのポジションとしての作風です。つまり、「笑い」の要素がふんだんに盛り込まれている事。『ウインター・ソルジャー』はそのドシリアスな作風こそがモダンアクション映画としてその筋の連中(自分)を唸らせたわけですが、さすがにこの『アベンジャーズ2.5』と言われるポジションの作品としてはそんなことするわけにもいかずw マーベル得意のユーモアが全編に散りばめられています。序盤や終盤はさすがにドシリアス路線になっているだけに、中盤ではそれこそ腹を抱えて笑うようなシーンがたくさんあるのも特徴の一つ。そしてそれがいやらしいぐらい上手く言っているんだからどうしようもない。特にヴィジョン絡みはやったら笑わせる。出てくるだけで笑っちゃうので、待機しているだけで宙に浮いているのも大笑い。


中でも白眉はやはりIMAX撮影シークエンスでもある「空港での大バトル」

待ってましたとしか言い様が無いような登場をみせてくれるスパイダーマンをはじめ、アントマンの掟破りの大暴れもあって、ソレはソレは楽しく燃える素晴らしいシークエンスになっていました。アイアンマンやキャップがいつもどおりの戦いに終止するしか無い中で、スパイダーマンの軽妙なアクションやアントマンの特性を活かしたアクションが新鮮この上ない。

そして、その空港のバトルはストーリーの性質上、本編でも「本気だすなよ」という感じの楽しいプロレス風味のエンタメバトルになっているわけですが、一転して終盤でいよいよ始まる「アイアンマンV.S.バッキー&キャップ戦」は、ある見事な仕掛けで観客の気持ちをシリアスモードにキッチリ切り替えることに成功し、そのガチバトルぶりに感動すら覚えさせてくれます。やはり肉弾戦は熱い! しかも、お互いの気持ちもわかるし、どうしようもないやるせなさも共感できるわけで、エモーショナル爆発のキャップの悲壮な連打をトニー視線で捉えたカット等、演出とも合致した美しさすら覚えるシークエンスに仕上がっていました。


エモーショナルといえば、本編中ダントツに感動したシーンは、キャップがバッキーの乗るヘリコプターの離陸を「腕力」だけで阻止するシーン。あれはもうクリス・エヴァンスの筋肉の説得力や「絶対に離すわけにはいかない」というストーリーの感情とが完璧にシンクロした名シーンでしたね。なんといっても飛びついて足も離れているキャップが力を込めると物理法則を無視してヘリが降下し始めますからね! コレですよコレ!!!

こういうシーンが一つでもあると、もうその映画は傑作としか言いようが無いですよね。


このシーンに関するインタビューでクリス・エヴァンス

「裸になうべきだと思って提案したが、それは無いと却下されたよ。(聞き返したよ)本当にいいのか?


まったくその通りで。クリス・エヴァンスが100%正しいのは言うまでもありません。あそこはせめてシャツがはじけ飛ぶべきでしょう!!



それにしても、こうもキッチリ期待を上回ってくる傑作を創りだすマーベルには頭がさがる思いです。

キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー』『アベンジャーズ』『ウインター・ソルジャー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『アントマン』と最低限観ておくべき作品が多いのが問題ですが、それをこなすだけの価値はあると強くオススメします!