男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『マッドマックス怒りのデスロード』★★★★

ただのヒャッハーではない高品質の演出がもたらす格別のアクション

今日は噂の『怒りのデスロード』をTOHOシネマズ新宿のIMAXとATMOSでハシゴをしてきました。去年の『ゴジラ』では、としまえんIMAXとTOHOシネマズ日本橋のATMOSでハシゴをしたのでへとへとになりましたが、今回は同じ劇場にIMAXとATMOSが併設されているという素晴らしさをいかして、疲れ知らず! とはいえ、映画本編が激しくカロリーを消費する超テンションの映画だったので、途中のお昼にとんかつをガッツリ食べてエネルギー補充の必要がありましたがw

前作の『サンダー・ドーム』がちょうど30年前。中学生の時に劇場で観た『サンダー・ドーム』は初のマッドマックス劇場体験ということを抜きにしても「ううん、なんか違う」という映画でした。いや、特に嫌いというわけでもなく、音楽とかクライマックスのアクションとか要所要所好きなところもあるんですけど、なんというかマッドじゃないんですよw

で、30年後の今日。時代は21世紀になってもう14年ですよ!

そんな次世代の現在に、突如蘇った(いや、前々からやるやるとは言っていたけど実現しなかったw)『マッドマックス』の最新作。

こいつが、とにかく最高のアクション映画でした。

『マッドマックス』も『マッドマックス2』もアクションシーンのテンションは異様に高い映画で、今観ても色褪せないものがあります。が、やはり現在の視点で観るとアクションが非常に少なめ。『2』なんかのクライマックスは異様に延々続いているように思えますが、実際にはそれほどの長さではありません。

そんな中、今作は序盤の5分で状況説明は終了し、シャーリーズ・セロン演じる実質的な主人公フュリオサが登場して、そのまま一気に本筋に突入してしまいます。そして、この映画の凄いところは徹頭徹尾「カーアクション」がえんえん続くということでしょう。「アクション」が延々続く映画や「アクション」と「サスペンス」が同時進行する映画は存在しますが、「カーアクション」に限定してこれだけ一本の映画を持続させていること自体が奇跡と断言してもいいです。あの名高い『バニシングin60』ですら、後半の1時間ですからね(しかも、あれは工夫がないから眠くなるというw)。

それをこの映画はおよそ本編の4/5がカーアクションなんですよ! 誇張抜きで文字通りそれぐらいの割合。

全宇宙の中学生どもが『マッドマックス2』を観た時に思う「クライマックスが延々続けばいいのに」という叶わぬ願望に、70歳になろうというジョージ・ミラー本人が真っ向から挑戦したことは尊敬に値する。

普通監督なんてものは別の方向性にいくもんですよ。

なのに、ジョージ・ミラーは逃げなかった。これは本当に凄いことだと思いますし、さらに凄いのは、それをこれだけの熱量を持って成功させてしまったことでしょう。

『マッドマックス』『マッドマックス2』の時からそうですが、ジョージ・ミラー監督は黒澤明の映画などクラシカルな映画を相当研究しているようで、演出の底力が相当高いレベルの監督です。そういった高品質の演出力をアクション映画に持ち込むというのは結構画期的なことで、大抵のアクション映画は「状況が分かりづらい」「何をやっているのか分からない?」という観客を置いてけぼりにしてしまいがちです。

今作でもジョージ・ミラーの高品質の演出力は健在で、とにかく「状況」が観客にちくいち丁寧に分かるように作られています。

それを踏まえているので、豪快なアクロバティックなアクションや、ギアノブや顔面に急速ズームというケレン味たっぷりな演出も見事に映えてくるんですよね。

マイケル・ベイの映画とこの映画を比較すれば、アクション映画の演出というものがどういうものかが教科書のように分かるんではないでしょうかww


激オススメです。