男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ボーン・シリーズイッキ見!』

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気を抜くとすぐに三作イッキ見してしまうボーン・シリーズ。

ポール・グリーングラスのグラングラン演出に慣れてくると、『アイデンティティー』のダグ・リーマン演出が物足りなくなったりする時期もあるんですが、それを通り越すと、あの落ち着いた演出も素晴らしいと思えるようになります。それぞれのスタイルってことですよね。

まあ、そうはいっても、しりあがりにテンションが上がっていくのがこの三部作の醍醐味であって、ハリウッド進出だっつうのに、遠慮なくあのタッチを貫いたグリーングラスの『スプレマシー』もたいがい凄まじいけど、やっぱり「信頼」を勝ち取って「遠慮無く」やりまっくった『アルティメイタム』は壮絶の一言。


ボクがブログでもTwitterでも「うるせえよ」と言われそうなぐらい何度も書いている、『女王陛下の007』とピーター・ハントによる《現代アクション映画の革新》として、その到達点といいますか「理想」とでもいうべき至高の作劇が存分に楽しめますよね。

撮影のオリヴァー・ウッドによる「不安定極まる手持ち撮影と頻繁に使われるズームやフォーカスワーク」、編集のクリストファー・ラウズによる「同一ショット内でも必要最低限の情報に絞りきって中間を切り刻むカッティング」、そして音楽のジョン・パウエルによる「同じリズムを次々と反復しながら緊張感を持続させていくサウンド」などなど、これらはすべてピーター・ハントが『女王陛下の007』でやろうとしていたエレメントなんですよねえ。

『女王陛下の007』のソレは当然そうとう荒削りなので、今観ても「なんだ、こりゃ?」となる可能性が非常に高いんですけどw 『ボーン・シリーズ』は完全に「視点の誘導」「生理の削り方」などを研究し尽くした職人芸の粋に達していますからね、ただただ「かっちょいい!」となるわけですよ。


『ボーン・シリーズ』以降何本もの映画が、あれを超えてやろう! と頑張ってきましたが、今だにあの凄まじさを更新するアクション映画は出てきていませんよね。


こうなってくるとグリーングラスマット・デイモンが再度タッグを組む新作に期待が高まりますが、同じコンビの『グリーンゾーン』がまさかの「え? ええ??」だっただけに安心はできませんw