男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『疑惑』を観ました。

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静かに続く野村芳太郎回顧ブームとして、家の奥さんも大好きなこちらをテレビで観て以来の再見。

以前の書いたように、推理のトリックとか謎とかからくり明かしはまったく記憶に残っていないので、こんなにミステリーだったんだと驚かされました。

今回も思ったのですが、桃井かおり岩下志麻は当然として、出てくる役者さんたちがみんな強烈で、それはそれは面白い。原作では柄本明が演じる新聞記者が主人公で、岩下志麻演じる弁護士も男性という設定だったそうです。それをよくもまあこんなうまい具合に脚色したもんだと感心します。桃井かおり岩下志麻の強烈な個性のぶつかり合いが印象深すぎて、もはや男性の弁護士なんて想像もできないほど。

野村芳太郎の「意味不明の気持ち悪さ」が相変わらず作品全体に微かに漂っているのも見事で、「ああ、野村芳太郎の映画観てるなあ」と思わされるのは重要です。


しっかし、岩下志麻が綺麗過ぎて笑っちゃうんですが、離婚して娘の親権を父親に持って行かれているという、「弁護士として大丈夫なのか?」という設定も、そのかっこ良すぎるキャラクターを上手に補強しています。挙句にその色気で被害者の息子を説得(籠絡)して証言台に立たせる展開は鬼w やさしく証言を聞き出していかとおもいきや、断固とした口調で決定的な証言を引き出すあのクライマックスは白眉。

そして、桃井かおりの印象をボクの中で決定づけたとも言える「クソ女」ブリが絶品。終始徹底して「クソ」なのがとにかく最高で、「実は」ってのが微塵もないのが素晴らしい。だからこそ最後のストップモーションは最高の終わり方だと思いますね。