男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『アメリカン・グラフィティ』を観ました。

何度も観ていますが、スクリーンで観るのは初めて。一夜のお話なので当然撮影も暗部が多く終始ザラザラした画像ですが、それがこの映画の持ち味になっています。撮影監修のハスケル・ウェクスラーの撮影が、この手の「青春映画」というものが定着していない当時に、ドキュメンタリータッチな側面を持ち込んでいて非常に印象深いルックスを確保しています。

今更ながらに思うのは、『スター・ウォーズ』がなければ、当然ルーカスはこの『アメリカン・グラフィティ』の監督として後世に語り継がれる人物だったんだろうなあと。勿論映画史の中でみればきちんと『アメリカン・グラフィティ』の監督として評価されているのでしょうけど、『スター・ウォーズ』とのあまりの作風の違いに、当時を体験していないボクのような人間には不思議な感覚を生み出すんですよねえ。

そう考えるとスピルバーグが『ジョーズ』の監督というイメージを現在の人は誰も持っていないというのと似ているかもしれませんね。

とはいえ、『アメリカン・グラフィティ』はルーカスという人間を切り離しても、単独で名作という地位を築いている強度の高い作品という見方もできますよね。

「青春」というものを「一夜の出来事」に集約し、それを当時のヒットナンバーで覆い尽くすという「発明」は『スター・ウォーズ』に決して劣らない映画史の革命ですからね。


ボクが初めてこの映画を観たTBSノーカット十週の吹き替え版が収録されているDVD。小林克也ウルフマン・ジャックはどう考えても本人が日本語を話しているとしか思えない傑作。