男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

丸の内ルーブルで『マディソン郡の橋』を観ました。

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フィルム自体が懐かしく感じるなんて

丸の内ルーブルが閉館することになり、記念として今までの上映作からセレクションした作品をフィルム上映することになりました。色々と行きたい映画もあったんですが、やはり『マディソン郡の橋』のフィルム上映は観ておきたいと思って行って来ました。

丸の内ルーブルは25年前の1989年12月に学校の入学試験のために上京した際、東京駅から直行してティム・バートンの『バットマン』を観に行った映画館です。つまり東京で初めて入った映画館。地元の広島の映画館はほとんどが最前列とスクリーンの間に大きなステージが設置されている関係上、一番前に座ってもスクリーンまでは適度な距離があって普通に鑑賞できたものです。ところが、この丸の内ルーブルには小さなステージしかないため、いつもの調子で最前列に座ったボクは経験したことのない角度でスクリーンを見上げての鑑賞になりました。これがトラウマになって、上京してからは前の方とはいえ中央寄りの(まあ、一番いい席と言われる辺りですよ)席に座るようになりました。音も実際には中央のほうがいいですしね。

ともあれ、恐らく何十年ぶりに入った丸の内ルーブル。試しに最前列に座ってみると(本編ではちゃんと後ろに移動しました)、「そうそう!」と記憶がよみがえる程の仰角。これで127分はキツすぎるw

今回のフィルム上映は冒頭にドルビーのトレイラーがついていて(ノイズを使って音楽っぽくするやつ)、それの商標登録が2003年となっていました。なので1995年当時のフィルムではないようです。

それでもフィルムらしく途中で何ヶ所か切れていましたし、終始ガタつきがあるような典型的なフィルム感でした。

映像もデジタルの映像とは根本的に異なっているようで、解像度とかの問題じゃない生っぽさがあるんですよね。(良いか悪いかは別問題)

日中のシークエンスの太陽光、ナイトシーンの室内照明、どれもこれも「光」が生々しい。


ボク個人はデジタル化には賛成の人間ですが、実際にフィルムを扱ったことのある人間として、ゼロ号試写の恐ろしいほどのハイクオリティな映像を知っている人間として、フィルム時代の映画を観てこられたことは誇りに思えるなとは思います。

もう既にフィルム上映で映画を観たことのない子どもや若者たちも多いことでしょう。フィルムとデジタルは根本的に別物ということだけは知っておいたほうがいいでしょうし、これからはデジタルが「フィルムの再現」に執着しない時代が訪れるであろうことも認識すべきかもしれません。