男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ブルーレイで『大空港』を観ました。

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4年前CSで放送されたのを観た時、子供の頃の印象とは違って随分大人のドラマだったと分かった『大空港

その時ずいぶん面白かったので、今度はブルーレイで再び観ることにしました。CSでは左右がカットされたビスタサイズでしたが、ブルーレイは当然シネスコサイズのまま。しかもやたらと高画質なのが素晴らしい。

今回観ても、やはり「妻」が可哀想だという印象。グランドホテル形式で多数の登場人物のドラマが交錯する作劇なのですが、今回特に印象的だったのは犯人夫婦の描き方です。

爆破犯であるD.O.ゲレロを演じているのは『シェーン』の農夫でも印象深いヴァン・ヘフリン。調べてみるとこの映画が遺作みたいです。そして、その奥さんを演じているのがモーリン・ステイプルトン。この夫婦は経済的に大変困窮しており、旦那は保険金目当てで飛行機ごと自殺を図ろうという(傍迷惑も甚だしい)計画。奥さんはそれを知らなかったのですが、バスで向かったはずの夫に、行き違いで航空会社からチケットの過剰分返済の手紙が届いて、不安になるわけですね。この映画ではこの爆破犯のゲレロに大変感情移入してしまうように作られていて、ドラマの質が非常に高く感じられます。そして、それが上手く行っているのはズバリ奥さんを演じたモーリン・ステイプルトンの名演技によるところでしょう。ホテル代が無いという旦那に最初は「こっちも家賃がないの」と言いながら、結局は「大家にはなんとか言っておくから」とその手にお金を握らせる。そして食堂の小銭も全部持たせてくれる。旦那が保険に登録するときにその小銭を全部出すのがなんとも切ないんですねえ。いかにも薄幸そうで、それでいて旦那を愛しているというのが観ていて痛いほど伝わってくるんです。アカデミー賞でもヘレン・ヘイズと共に助演女優賞にノミネートされていたようですが、あちらは大変美味しい役どころなので受賞はあちらになりました。けれど、モーリン・ステイプルトンの芝居は非常に素晴らしく、この映画の質を大きく向上させていることは言うまでもありません。


観れば観るほど味わい深い映画なんですよねえ。


大空港 オリジナル・サウンドトラック
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アルフレッド・ニューマンの傑作サウンドトラック。これが遺作ってほんと凄いよね。