男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

プログラム51『マディソン郡の橋』

マディソン郡の橋 [Blu-ray]
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ブルーレイの恩恵はバッチリ

大好きなイーストウッドの『マディソン郡の橋』が遂に国内版ブルーレイで発売されました。

ワーナーの特別扱いしないいきなりの廉価版ということで、いきなり1500円台で買えてしまうのがなんとも嬉しいです。

初期DVD→リマスターDVD→BSハイビジョン→WOWOW(5.1ch)とすべてのバージョンを観てきて、WOWOW版がダントツの高画質&高音質を誇っていましたので、今回のブルーレイもまあそれほど違いがあるわけではないだろうと思って観始めたのですが……

まず色の濃さがぜんぜん違うんです。

イーストウッドの履いているジーンズや、毒草と冗談でからかわれる摘んできた花、そしてキンケイドの乗っている車、印象的なフランチェスカの家のダイニングテーブルなどなど、青や黄色の色が鮮明に描画されていて驚かされました。直後にWOWOW版を観直すと、単純に「薄く」感じられます。


次にイーストウッド好みの陰影がハッキリと表現されています。

美しいローズマンブリッジの中を歩きながら、外のキンケイドを気にしているフランチェスカ。射しこんでくる柔らかな太陽光と、それが生み出す影のコントラストが大変美しい。



日本人にも舞台がかなりの田舎であることがすぐに分かる美術の素晴らしさと、ロケーション撮影によってやたらと飛び交うハエなどの虫が非常に効果的に体感できます。ブルーレイのディティールの情報量はやはり放送版とは比べ物にならないです。あのアイスティーのグラスがまたいいw


そして、映像以上に驚かされるのがDTS-HD MA5.1のロスレス音声。舞台となる夏の季節感が様々なSEによって緻密に表現されている映画ですが、「こんなに虫がいたのか!」と驚かされるほど終始サラウンドで虫や自然の音が静かに包囲してきます。これがあるのとないのとでは作品世界に対する没入感が全然違ってきます。レニー・ニーハウスの音楽も、以前だと殆ど聴こえなかった場面でもキチンと聴こえます。テーマはイーストウッドだし、仕事してんのか? とか思ってごめんなさいw


正直WOWOW版があるからと対して期待していなかったブルーレイですが、いやいやファンなら絶対に買っておくべきです。1500円ぐらいだしw

特別編に収録されていた撮影のジャック・N・グリーンと編集のジョエル・フォックスによる音声解説や、メイキング(SD)もちゃんと収録されていますし(さすがに新規の特典はなし)、『マディソン郡の橋』のパッケージとしては決定版と言っていいと思います。

まあ、裏の表記でシネスコ書かれている誤記はご愛嬌ですがw


久々に通してみたんですが、やっぱり良い映画だなあ。イーストウッドのファンとしては、これだけ感情表現の多い芝居を観られるのも貴重ですしね。

この映画も20年ぐらい経つのでそろそろ午前十時系でリバイバルして欲しいですねえ。