男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『Love Letter』を観ました。

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スクリーンで観るのは初めて

イオンシネマで始まった【シネパス】で、岩井俊二の長編デビュー作『Love Letter』を観てきました。

http://www.aeoncinema.com/event/cine-pass/

お世話になった3ヶ月パスに続いて、今回は一年間通しのパスポートです。とはいっても新作映画ではなく『午前十時の映画祭』のように一週間ごとに過去の名作を上映するシネパスという企画のものです。ただ、『午前十時の映画祭』と違って、平日だけの上映というところがちょっと惜しいかなあ。

もうすでに二作品『追想』と『シザーハンズ』を観逃してしまっているのですが、これからはできるだけ毎週観ていこうと思っています。せっかくのパスポートですからね。

今回の岩井俊二監督長編デビュー作『Love Letter』は、公開時に評判を聞きつつ劇場へは行かず、結局ビデオで観た時に大感動した映画です。

篠田昇による当時の日本映画としては大変珍しいシネスコサイズの撮影は、スクリーンで観ると当然のように圧倒的に素晴らしく、小樽の風景と大好きな雪景色が視界いっぱいに広がる至福を味わえました。

今回久々に観直して気づいたんですが、『イルマーレ』って完全にこの映画からインスパイアされているんですねえ。この映画は確か韓国で超大ヒットしたようですから、明らかにオリジナルの韓国版は影響を受けているんでしょうね。

赤いポストとか、手紙による不思議な交流とかね。

ただ、この映画を初めて観た時なによりも衝撃だったのは、「少しファンタジックな雰囲気が実はミスディレクション」であって、ストーリーは異様に辻褄のあう合理的な作劇だったことなんですよね。イメージとかから完全に「すこし・ふしぎ」系の映画だと思わせておいて実は……ってところが肝で。まあ、そのまま「すこし・ふしぎ」な映画にした『イルマーレ』のアプローチも大好きなんですが。

今回観直しても、やはり過去と未来、小樽と神戸、二人の藤井樹、二人の女性、二人の男性、入り組んだエレメントを流れるように紡いでいく脚本や、完成品をキチンと計算して作ってある映像設計などなど、隙のない完成度の高さに舌を巻きます。

あ、そういえば、スクリーンで観ると、遺影の写真がちゃんと田口トモロヲだってわかるので笑いそうになりましたよ。ははは。


岩井俊二の名を知らしめた傑作テレビドラマ。こちらも入り組んだ構成をキチンと計算して作っているのが素晴らしい。


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中編ですがこちらもシネスコサイズが堪能できる傑作。