男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『キツツキと雨』★★★1/2

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温かい気持ちになれる田舎コメディの秀作

南極料理人』が大変素晴らしかった沖田修一監督が、『南極料理人』の次に作った作品。

期待に違わずこの作品も大変好みで素晴らしかったです。

南極料理人』もホンワカしたのんびり系のコメディでしたが、こちらは個人的にツボでもある「田舎系」コメディ。『南極料理人』がガッツリとしたコメディだったのに比べると、今作はドラマ部分に焦点が当てられ、コメディ要素は少なくなっていると思います。

とはいえ、逆に「田舎モノ」としての良さがその分大きくなっており、上質な作品に仕上がっていると感じられます。

「映画の撮影に協力することになる木こりの話」というプロットを聴いた時は、「自主制作のパロディ」っぽい感じなのかと思ったのですが、実際には(低予算規模とはいえ)商業映画の撮影隊なのも良かったです。若くして商業映画の現場に投げ込まれた新人監督を演じるのは「旬じゃない」と言われて久しい小栗旬がなかなかの好演。おそらく沖田監督自身の経験もモデルになっているのかも知れませんが、商業映画の現場感がデフォルメされているとはいえリアルに見えるのも楽しい。現場経験者なら、すっかり助監督スタイルに染まった岸(役所広司が安定の好演)が他の助監督に言われる「毛布。現場じゃ常識ですよ」に大笑いできるでしょう。

沖田監督の目指している作品の傾向が見えてきたので、最新作の『横道世之介』も早く観たいと思います。


この主人公の人って息子を演じていた人だな。あの人ちょっとしか出てこなかったけど凄く印象深いんですよね。楽しみ。