男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

プログラム38『ジャッジ・ドレッド』★★★1/2

実は正統派バディ刑事モノの傑作

劇場では観逃していたので、ブルーレイで観ました。

観て驚いたのは、去年観た傑作『ザ・レイド』とほぼ同じプロットであること。噂には聞いていましたが、『グラス・インフェルノ』と『ザ・タワー』という2つの小説を一本にまとめた『タワーリング・インフェルノ』とは真逆のアプローチと言いますか。まあ、「困難を乗り越えて上階へステップアップしていく」というプロット自体は、古今東西神話の時代から脈々と受け継がれている伝統的なものですから、こんなこともあるでしょう。

ただ、『ザ・レイド』と違うのは、「ヒロイン」が存在していることと、そのヒロインが「相棒」であるということでしょう。

そして、本編を観るとわかるのですが、むしろこの映画はこの相棒であるアンダーソンの成長物語ととらえるのが正解。

さらに、個人的にヒロインのアンダーソンを演じたオリヴィア・サールビーという女優さんがモロに好みだったのも高ポイントでした。

目が少し離れている「ヒラメ顔」がツボなんですよ。


かつてスタローンも演じたジャッジ・ドレッド。今回は「わかっている男」カール・アーヴァンが演じています。もちろんヘルメットはかぶったままなので、口と体の動きだけでドレッドのカリスマ感を体現していてさすがです。黙々とヌシヌシ歩いて公務を遂行するジャッジぶりにしびれます。

とにかくこの「裁判官であり死刑執行人」であるジャッジの無茶苦茶かっこいい設定がヤバイ。「お前は死刑確定だ」なんて人生で一度は言ってみたいセリフですよ。「俺が法だ」もね。


この「先輩」と「ルーキー」のバディ映画を、例の「ビルを最上階まで攻略」プロットにぶち込んでいる構成は、95分という地上波のテレビでノーカット放送できる大変ストレスのないシンプルさ。脚本のアレックス・ガーランドは言わずと知れた『28日後…』の脚本家。ツボは外さない娯楽映画テイストはなかなかのもので、シンプルなアクション映画が陥る単調さを、アンダーソンがテレパシストという設定で巧妙に回避しています。

最初は緊張していたルーキー=アンダーソンも、「最上階へ登る」というブルース・リーからの伝統である「男の通過儀礼」を経て、たくましくなっていく。


このあたりが強烈に素晴らしい。加えて、ドレッドの呼び方も「ルーキー」→「相棒」→「アンダーソン」と変わっていくのがしびれる。


【90分アクション映画】というジャンルとして、新たに中学生たちをとりこにする映画が誕生したと言えるのではないでしょうか。日曜洋画劇場で何度も放送するといいよ。


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