プログラム37「ライフ・オブ・パイ」★★★
やっぱりIMAX3Dで観ないとダメなのか
アン・リーは好きな監督です。『グリーン・ディストニー』や『ブロークバック・マウンテン』ですね。『ハルク』は「?」でしたけど。
大番狂わせで二度目のアカデミー監督賞をかっさらった、今回の『ライフ・オブ・パイ』
劇場で観逃していたので、ブルーレイをホームシアターで観ることにしました。
船が沈没して、救命艇で虎と一緒に漂流する。
プロットを聞いた段階で否応なく期待させてくれますし、本編もその期待に答える面白さがあるのですが、観終わったあと、どうにも釈然としない。
いや、あのラストあたりの「語り部」と「物語」っていうような部分は結構合点がいっているのですが、個人的にどうにも「漂流」感が足りない気がするのです。あと日差しの強さも。プールで撮影して海はCGIですよという感じが思いっきり出ていて、どうにもこうにも「漂流」している感じがしない。一緒に喉がカラカラってなこともない。
用法は違うけど「シズル感」が決定的に欠如しているのは個人的にもったいないと感じてしまう。
その代わり虎のリチャード・パーカーくんは最高でした。本物とCGIを使っているそうですが、ぼくにはほとんど区別がつきませんでした。主人公と一緒に映っているシーンや芝居として本物では無理だろうなという部分で、そうなんだろうと分かる程度です。メイキングで「前足の動きがリアリティにとって重要だった」ってのはよくわかります。ネコ科の動物って前足の動きがとにかく特徴的なんですよね。可愛いしw
あ、リチャード・パーカーと変な友情みたいにならないのも良かったですよ。常に基本的には「殺す気」満々なのはいい。まあ、だったらもっとドキドキさせてれくよとも思うけど、そういう映画じゃないんでしょうねえこれは。
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海のシズル感といえばこの映画!!