男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

午後のロードショー『ザ・デプス』を久々に鑑賞。豪華声優陣に衝撃

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7月18日、テレ東の午後のロードショーにてショーン・S・カニンガム監督の『ザ・デプス』が放送されました。

録画したものを深夜に観ていたところ、Twitterで思い出話がやたらと盛り上がって面白かったですw

僕と同世代の方たちにとっては、キャメロンの『アビス』公開に先駆けた”便乗企画”として記憶している人が殆どでw 同様の企画『リバイアサン』とセットで皆さん観てらっしゃったのが微笑ましい。ついでにさらに便乗したスペインの『新リバイアサン・リフト』の話題まで登場し、さすがに誰も観ていないが意外に評判がいいので観てみたいという話に、でもVHSのみなので非常に難しい状況かもw

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調べたら中古で現在500円ぐらいですねw 送料を含めるとちょっと割高感がw

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本編は公開当時から思っていましたが、実に「雑」な作りです。と言っても低予算ならではのミニチュアワークなども面白くて、意外に観ていて飽きない。無駄に多いキャラクターをバラエティに富んだ殺し方で消去していくのは同監督の「13日の金曜日」同様のルーティーン。それ故に肝心のモンスターにヤラれちゃうご大層な死に方とは別に「うっかり」死んじゃうのも多くて笑えます。実に「雑」。

中でも印象深いのはミゲル・フェラージョージ・クルーニーと同じ遺伝子を持つとは思えないほど味のズレたルックス)演じるスナイダー。常にボヤきまくっているくせに技術屋としてのキャラで重宝されているんですが、過度のプレッシャーからなのか生来の星が悪いのか、やることなすこと「裏目」に出る。この「裏目」具合が半端じゃ無いのがこの映画の面白い所。言ってみればドラマを転がしているのは、ほぼ彼の「裏目」が原因。核爆弾をヘラヘラと爆発させておいて、「コンピューターの指示に従っただけだ」と徹底的に言い訳する姿も笑えますが、一番ひどいのは科学者(こいつがまるで役立たず)を「うっかり」化け物退治用のモリで突いてしまって殺してしまう。「奴がモリの方に下がってきたんだ!」と当然言い訳。挙句に気が狂ってしまい、仲間を置いてけぼりにして一人で脱出(こうこなくちゃ)、ただし、その前に口が酸っぱくなるほど医者の女性が「減圧しないまま浮上したら死ぬのよ」と言っていた通り、体中の血液がさんざん振り回したコカ・コーラ状態で吹き出す壮絶な断末魔。こういった伏線を律儀に回収するのは評価できる。キャメロンの『アビス』で不満だったのは、減圧のことをあれだけ強調しておきながら、ラストでは「減圧してないのに?」「宇宙人のおかげだ」で済ませちゃったことなのでw

特筆すべきは今回の放送版がかつて日曜洋画劇場で放送された(無駄に)「超豪華」な声優による吹き替え版だったことです。

役名 俳優 日本語吹替
ジョイス ナンシー・エヴァーハード 藤田淑子
ケヴィン グレッグ・エヴィガン 安原義人
スナイダー ミゲル・フェラー 富山敬
ジム マット・マッコイ 堀内賢雄
スカーペリ ニア・ピープルズ 佐々木優子
ダイアン シンディ・ピケット 此島愛子
レイドロー トーリン・ブラック 小林清志
ヴァン・ゲルダー マリウス・ワイヤーズ 坂口芳貞
バーシアガ エリヤ・バスキン 吉水慶
ホッジス トム・ブレイ 鈴置洋孝
オズボーン ロン・キャロル 村越伊知郎
日本語吹替:テレビ朝日日曜洋画劇場』1990年6月24日放送

<wikipedia>

先ほど書いたミゲル・フェラーの吹き替えなんて富山敬ですからね、非常に珍しい憎まれ役で大変楽しめます。

ヒロインの藤田淑子さんも大好きな声優さんで、「トムとジェリー」のジェリー、「キテレツ大百科」のキテレツなどでお馴染みですが、ここでは一休さんに近いニュアンスで芝居されてますね。

何を訊かれても「わからん」と応える頼りない艦長なんて小林清志さんですから、声だけ聴くと実に頼り甲斐がありすぎる。ある意味ミスキャスト。

好奇心のかけらもない上に無駄死にするという、科学者のロールプレイをまるで分かっていないヴァン・ゲルダーなんて、いい声でお馴染みの坂口芳貞さんですよ。声だけ聞けばモーガン・フリーマンですから、絶対に何とかしてくれそうな雰囲気「だけ」は醸し出しているんです。なので、役に立たないあたりになると無駄に不安が煽られる。

また、序盤でいなくなるどうでもいい乗組員の一人なんてまさかの鈴置洋孝さん。お前は艦長だろうというガンダムファンのツッコミも虚しく、狼狽した挙句にすぐヤラれて退場。このすごい無駄遣い感こそがこのTV放送版一番の醍醐味ではないでしょうか。

この映画も国内DVDは未発売なので、ハイビジョン放送されているだけでもすごく貴重です。しかも結構クオリティ高くて、クリス・ウェラスがデザインしたモンスターのチャチさも異様に鮮明。DRで録画しておいてほんと良かったw

スティングレイさんあたりでDVD化されるときにはぜひともこの吹替版収録でお願いします。

あ、そうそう、13日の金曜日つながりで音楽をちゃんとハリー・マンフレディーニが担当しているのも嬉しい。もちろん殆ど印象には残りませんがw

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サントラにはプレミアがw いや、もちろん買いませんけど……

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観ているとやたらと『リバイアサン」が観たくなるんですが、近所のTSUTAYAにはまったく置いていないので取り寄せようかなw

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こちらはジェリー・ゴールドスミスが音楽をやっているし、大好きな今は亡きジョルジ・パン・コスマトスが監督なので久々に観たい。この映画って『ダイ・ハード』直後のジェブ・スチュアートか脚本に参加していたりするんですが、まあ、あれですよ、あくまでも「便乗」企画ですよ。

「Say Ah Mother Fucker!」

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実は深海物の企画自体はマイクル・クライトンの『スフィア』の成功がもともとにあって、キャメロンも絶対にそれに便乗しているはずなんですよ。

当時どの映画よりも先にこの小説を読んだ僕はとにかく大興奮していました。燃えに燃える深海サスペンスなんです。クライトンらしさが爆発する謎の球体に関する謎解きや、宇宙船の存在に関する驚きの事実など、一気に読んだのを覚えています。


便乗企画からずっと時を経て、クライトン映画ブームに便乗する形で映画化されましたが、深海の静寂さながらにスルーされていましたね。僕はちゃんと劇場で観ましたよ!

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深海映画唯一のブルーレイw

『アビス』を早くブルーレイ化してください。


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『アビス』と言えばオーソン・スコット・カードによる傑作ノベライズ。ことらも一冊にまとめたりして復刻するといいのになあ。単純に深海SFとして抜群に面白いのに。