男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『涼宮ハルヒの消失 限定版』鑑賞


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上映時間の大切さ

やっと本編を観ました。せっかく発売日が改変開始日である12月18日に設定されていたので、なんとか改変中の19日中に観られてよかったです。

テレビシリーズありきの作品ですが、テレビで観ているからと言って、テレビシリーズの延長のような作りとは根本的に異なっているところがこの作品のすごいところです。ところどころテレビシリーズを意識した演出はありますが、全体的に「映画」を意識した作りになっています。

ボクが今回観ていた一番感じたのは、164分という上映時間の大切さ。長尺傾向にある最近の劇場用映画の中でも明らかに「長い」部類に入ります。古くは『大脱走』、『タワーリング・インフェルノ』最近では『アバター』などなどといった「超大作」に分類される長さです。

劇場で観たときは、テレビシリーズなら7話分に相当する長さなので、それを一気に見るのと同じ感覚だと思っていました。

ところが、こうやってテレビで観ている分にもこの164分という上映時間は特別な演出効果を生み出しています。それはやはり、この「キョンの長い体験」を共有するために必要な時間であるということです。つまり、テレビで断続的に7話見てようと、それを録画したものを続けてみようと味わえないと思うのです。オープニングやエンディングや「引き」と言ったテレビシリーズの構造がそれを妨げる。劇場映画でしか味わえない一体感なんですね、これは。

タイタニック』の192分という上映時間について、ジェームズ・キャメロンが言っていたのですが、「この上映時間でないと観客がタイタニックに乗船している気分にならない」と。つまり、この映画でも、この長い上映時間は必要不可欠だと思うのです。

展開自体は二転三転する関係上、体感時間はそれほど感じ無いのですが、ラストに「振り返る」時間がたっぷりあることが、テレビシリーズとは全く異質の「余韻」を産み出しており、これこそが長門の思いやキョンの気持ちを情感たっぷりに感じさせてくれるんですね。

そういう意味でもやはりこの作品は「超大作」の部類なんでしょう。


それにしても、この作品の長門はやっぱり切なすぎる。キョンの「ハルヒ愛」が端々に溢れているだけに、より胸をかきむしられる。

傑作。


・・・


ブルーレイとしては標準的なクオリティ。ただし、フィルムライクなルックスを目指しているはずの作品ですから、これが狙い通りなんだとは思います。事実「雪の結晶」まで認識出来る屋上のシーンなどは圧巻の高画質が堪能できます。

サウンドは少しダイアローグが抑えられており、キョンのモノローグが強調される設計。逆に音量を上げると音楽や様々なサウンドイフェクトが意識した部分だけ大きく包囲感を生み出していることがわかります。

ただし、リニアPCM5.1chのみの収録にした仕様は、いろんなところで書かれているよう問題かもしれません。光接続だと2chステレオになってしまいますからね。せめてドルビーデジタルを同時収録すべきだったのでは?