男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『シン・ゴジラ』★★★★

(随分と初見から間が空いてしまったので、Twitterで振り返りつつちょこっとコメントを書くような形式でw)

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 2015年12月10日
シン・ゴジラの特報からはまったくなにも臭ってこないなあ。コピーは良いと思うけど、お前らどんだけ『太陽を盗んだ男』好きなんだよという鬱陶しさだけは臭う。いや、まあ面白ければ良いんだけども。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 2015年12月10日
でも、シンゴジラの造形は素晴らしいよね。ゴジラが恐怖の対象ってのはやはりアガる。

検索してみると、特報に対するコメントが最初の発言のようです。とは言え、『シン・ゴジラ』の検索キーワードに引っかかっていないだけで、公開前にどれぐらい「期待していなかったか」は数多く発言していたはずです。まったく土下座するしか無いw

ただ、あの造形は気に入った模様w


ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 4月14日
シン・ゴジラ」はIMAXでもやるのね。一応やっぱり観に行く予定なので、予告は観ないでおこう。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 5月18日
シン・ゴジラ」の予告をうっかり観てしまって、石原さとみが振り向く1秒ほどのカットに漲る「地雷臭」のきな臭さをフレと延々語ってしまった。なんという不毛な時間か。なぜよりにもよってあんなカットを予告に入れた? アニメから実写に入った奴が1番やりがちな「ダサい」やつなんだよねえ。


年が明けて4月になり、IMAX上映の情報が流れてきたようです。それにしても「一応」ってw 結局予告は観てしまい、あの「石原さとみのドヤ返り」にのけぞったんですなw

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 6月16日
シンゴジラ」はゴジラがだんだん近づいてきて、ただただ蹂躙していくのに対応するだけの映画だといいなあ。でも、ちゃんとやっつけて欲しい。人の力で。庵野ウルトラマンになってボコボコにするのだけはナシで。

この発言を読むと、思いっきり期待通りの出来になっていたわけですね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 6月21日
シンゴジラ」も89分とかだといいんだけど、多分114分とかいう記憶に残りにくいランニングタイムになりそうだよねえ。あ、一作目に合わせて97分とかにするのはありそうだな。歓迎ですよ!

上映時間は最終的に120分になりましたが、結論から言うとよくぞ2時間に収めたなということですね。何はともあれ130分台とかにしなかったのは評価できますよね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月1日
あ、「シンゴジラ」の新しい予告みましたよ。今回はセリフがあるんですが、石原さとみa.k.a.カヨコ・アン・パタースン米国大統領特使が期待通りのセリフを吐いていて負の満足で悪魔の苦笑。 #ガッズィーラ

ついに7月に入って、新予告を観たようです。セリフあったっけ? それにしても、カヨコ=石原さとみに対しての毒w とはいえ、今見直してもあの予告にアレを使ったのは意図的にハードルを下げていたとしか思えないですよね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月9日
シンゴジラ」誰もやれなかった「一作目のリメイク」という最高の札を手に入れたからには、何が何でも面白くしてもらわないと世界の理が崩れる。

そうそう、「ゴジラが初めて現れる」という設定を知って俄然期待値が上がり始めたんですよねえ。結果的にその設定を手に入れたのは最大の勝利ポイントでしょうね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月11日
シンゴジラ」の造形について。「人間の目が一番怖い」っていうのには同感だなあ。人間だけが「白目」が外からも見えるんですよね。

ゴジラはいつも下をみている」というのも頷けましたねえ。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月19日
石原さとみが振り向かないだけでこれだけ面白そうになるんだから、いかに最初の予告が酷かったか分かるな。まあ、本編では振り向くんでしょうが……『シン・ゴジラ』予告2

まだ言ってるw でもね、アレみんな慣れているだけで、やっぱり酷いですよw

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月20日
シンゴジラ」の最速上映ってTOHOシネマズ新宿のみっぽいから、チケットはある程度争奪戦になるよね? まあ、その方が新宿の夜特有の危険な客が排除されて良いと思うけど。しかし、それならなおのことIMAXの方がいいのかなあ。

最速上映。つまり7月29日深夜0時キッカリからの上映ということで、「せっかくだから」という不埒な理由でフレを誘って行くことにしたんですよね。フレ共々「仕方ないから」という様なスタンスで臨んでいたはずです。今でも会うと話題に出ますが、上映開始0時までの時間を近所のサイゼリアでおしゃべりしながら過ごしていたときの「どうなんでしょうねえ……」という煮え切らない会話が酷かったw

とにかく「おもったよりも良かった」という方向性に気持ちを一生懸命調整していたんですよ。殆どの人がそうだったんだと思うんですが、本当に「スベるんだろうなあ」という不安でいっぱいだったんですよ。今となっては笑い話みたいですがw

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月21日
シンゴジラ」のサウンドが3.1chだそうだ。東宝だからって大昔のパースペクティブサウンドを再現でもしたいのだろうか? ただ、フロントのみというのは割と賛同はする。

3.1chサウンドと知ったときはちょっと驚きましたし、「おや?」と思いましたよ。思えばこの頃から徐々に「もしかして」という気持ちも心の何処かに湧いてきていたんですよね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月21日
手塚版のメカゴジラ2作が88分と91分でこれはハム太郎との兼ね合いらしい。でも、彼の作風からしたらあの上映時間は適切だと思う。ファイナルなんとかは放っておくとして、シン・ゴジラの118分はやはり国産ゴジラの中ではかなり長い部類に入るけど、120分を超えなかったのは拍手したい。

118分という発表だった気がしますが、結局120分でしたよね。そうそう、歴代上映時間を調べてみたら、国産ゴジラの中ではかなり長い部類なんですよね。

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月25日
シン・ゴジラ」TOHOシネマズ新宿最速上映のチケットを無事ゲットできました。わたしはTCXスクリーンをとったのですが、IMAXに流れていったようで楽勝でした。

IMAXの方は確か20分ぐらい遅れての上映だったんですよ。わたしはシネスコだったのでTCXを選んだんですが、明らかにIMAXのほうが飛ぶようにハケていたように記憶しています。結局結構埋まったとは言え、さすがに平日深夜でしたので満席にはなっていたなかったと思います。何度もいいますが、そんなに盛り上がってはいなかったんですよw

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月27日
正直に告白します!「シンゴジラ」ワクワクしてます!!

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月28日
シンゴジラ」一般受けする要素はことごとく排除して欲しいなあ。石原さとみだけで充分です。いや、石原さとみは可愛いからいいので、うすら寒いことをさせなければいいです。

思わず「期待する気持ち」が漏れていますね。石原さとみだけが不安だったんだなあw


というわけで、この後からは初見後の発言になります。笑ってしまうほど掌を返して絶賛しまくるので、ある意味気持ちが良いほどです。

・・・

ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月28日
シン・ゴジラ』最高です。めっちゃくちゃ燃えまくりです。生涯何度目かで最後に拍手しました。気になるところがあるにはありますが、これだけ「こんなのが観たかった!」と言うのを形にしてくれたら文句を言ったらバチが当たります。そう! こういうのが観たかったんです!!!
ビューティー・赤坂・デヴァイセス @Devaiseth 7月28日
シン・ゴジラ』ずっと鼻で笑っていた「虚構対現実」「日本対ゴジラ」などのコピーがまったく嘘じゃ無いことがまず凄かった。庵野としても『新劇場版ヱヴァンゲリヲン序』の時と同様に、自分の保障付きの手札を惜しげもなく使っていて天晴れと言いたい。しかし、まさか◯◯◯作戦のリメイクだったとは
シン・ゴジラ』今回実質的にはテレビ版エヴァの5.6話つまり、序のリメイクになっています。賛否はあるとは思いますが、個人的にはこれは英断だったと思います。だって、あれはまさにこういうのが観たかったと言う結晶のような作品でしたから
シン・ゴジラ』主人公が政治家っていうのがまず最高。自衛隊でも博士でも少女でもない。その政治家たちが中心になって有事に際して出来得ることに全力を尽くす。この熱いプロットはなんだよ!
シン・ゴジラ』もちろんゴジラの大暴れがあるわけですが、ここの凄まじさは庵野樋口真嗣たちの創作者としてのプライドを感じさせる。「うぉおおおおおおおお!!!!」の連続。火炎放射からの臨界点を超えてレーザー!こんなの燃えるに決まってる
シン・ゴジラ』しかもお約束の爆発の瞬間に目にシャッター!あれは燃えるでしょ!
シン・ゴジラ』それにしても伊福部昭のオリジナルの音楽を惜しげもなく使うあたり、恥も外聞も捨てた庵野の覚悟が現れていてよい。そのためにわざわざ3.1chにしたと思われるサウンドデザインも庵野自身によるもので、実にカッコいい。
シン・ゴジラ』編集も庵野自身が手がけており、前半部分の猛烈な刻み方から時に観客を置いていく感じの疾走感が心地よい。SNSやニコ生的な近代的な映像を殆ど使わない点も好感が持てました。とにかく会議会議会議会議の畳み掛けが個人的にシビレまくりました。
シン・ゴジラ』一番の懸念だった石原さとみさんですが、大丈夫、慣れますww もちろん予告の印象通りの薄ら寒いキャラですが、許容範囲です。慣れますww 逆にあの英語混じりのセリフはネタになります。「ウワァースィントンでは……」
シン・ゴジラ』しかし國村隼はまたしても映画に一本筋を通してくれてましたよ。役柄的にも頼れること頼れること。竹野内豊はもともと好きな役者さんでしたが、憎まれ役にはならず観客側と主人公を絶妙に橋渡ししていて上手かったなあ。「そろそろお好きなようになさっては」
シン・ゴジラ』ほんと中盤のゴジラが大暴れするシークエンスは、想像をはるかに超える凄まじさだったなあ。しかも、完全停止していても接近する飛行機は全て自動的にレーザーで撃ち落とすとか、完全に使徒だなw
シン・ゴジラ』主役の長谷川博己さんは恐らく初めてお芝居を観たと思うんですが、やたらとカッコいいんですよねえ。言動や具申のタイミングとか、怒鳴る場面も最高だし(まずお前が落ち着けも最高)、何よりちゃんと作戦開始に際して陣頭に立ち、あまつさえ演説までかます! そして、それが熱い!
シン・ゴジラゴジラ上陸跡を視察するシーンで、一人だけ矢口が合掌するの、グッとくるんですよねえ。
シン・ゴジラゴジラレーザーがビルをザクザク切り裂いていって、お約束のように総理のヘリを狙いすましたかのようにぶっ飛ばすの最高だったんだけど、後で「飛行物体を自動的に撃ち落とす」というのが分かって震えた。あれに理由付けするとは!
シン・ゴジラ』前々から「ゴジラを天災のように描く」とか聞くたびに「ああ、ダメだなこりゃ……」と思いつつチャンネルを合わせ直していたんですが、今回は「災害」シミュレーション映画という枠組みにも関わらず、ゴジラが常に「人類を睥睨して」怒りを撒き散らす存在なのが最高なの!
シン・ゴジラ庵野が「一作目を再現したい」という主旨の発言をしているんですが、ここまで本質的に「ゴジラ一作目を初めて観るという行為」を再度現代の観客に味あわせる事を狙っているとは予想だにせず、しかもそれが成功していることがなによりも凄いんですよ。これを偉業と言わずして何という。
シン・ゴジラ』個人的に「ああ、一作目みたいなのが観たいんだよなあ」という無責任な欲望をここまでガッツリやってくれたんだから、そりゃもう諸手を挙げて絶賛するしかないわけですよ。もちろん言いたいことは沢山あるけど、そんなの一作目にも沢山あるわけでww
シン・ゴジラ』そういう意味でも冒頭の漂うボートの場面から「あ、これはイケる!」という感じが凄くて。靴が揃えてあるでしょあのシーン。「ああ!」とww 『パトレイバー』の帆場暎一と同様の魅力があるんですよね。牧悟郎という人物がどれだけ人類に対して愛憎あったかというあたりが凄く良い

・・・

というわけで、今に至るも(9月26日現在)ずっとハマり続けています。さすがにもう劇場では観ないと思うのですが、ブルーレイなどが発売されるとまた何度も観たくなるんでしょうねえ。いずれにしろ、「突出した」「観客を殺しにかかってくる」映画に遭遇すると、ホントに「映画ファンでよかった」と思えるんですよねえ。

ありがとう庵野秀明

『ロスト・バケーション』★★★

滅多に観られない真面目なサメ映画登場!

Twitter採録

出てくる男どもがとことんダメなやつらなのも、清々しさすら感じさせて、どこか懐かしさすら覚える高ポイント。「だよな!」の連続展開と、どんどん主人公が追い詰められていく粘着質な展開は大好物です。手持ちの布石が全部外されるあたりもガッポーズもの。

傑作『オープン・ウォーター』路線にはいかす、活劇路線に突入するクライマックスへの持っていき方も燃え燃えで、冒頭の作劇の不穏さが巧妙にミスリードしている。こうこなくっちゃな! というサメバトルに喝采

それにしても、あの酔っ払い野郎の観客全てに殺意を抱かせながらも、苦笑するしかないようなお約束な末路には「溜飲がさがる」としか形容のしようがないww

実はカモメ映画でもあるわけですが、CGではなく実物を使ってると知って驚いた。確かにナチュラルな良い芝居してましたもんねえ。カメラがまた絶妙にフレームの端に捉えていたりして良いんですよ。アイデアの元は『キャスト・アウェイ』のウイルソンかもしれませんね。

カモメの存在は、お遊びとかではなくて、作劇上大変上手いアイデア。終始画面に映ることで画面に変化を観客にゆとりを。主人公が食べちゃうんじゃないのかと薄っすら思わせておいての、実は治してあげるくだりはかなり重要な転換点で、観客をがっしり味方につける。


こちらが陰鬱なサメ映画の極北とするなら、今回の『ロストバーケーション』は爽快なサメ映画として大変楽しめる作品になっていました。

『ブルックリン』★★★1/2

映画史上類を見ない船酔いシーン

この美しいポスターに期待して観に行ったら、その期待を見事すぎるほど裏切らない良い映画でした。


長くなってもアレなので、個人的に強烈に記憶に残っているシーンだけメモ代わりに書いておきます。


主人公がアイルランドからニューヨークに船でやってくるわけですが、このシークエンスがちょっと普通じゃないんですよ。

まず、食堂でヒロインがまっずそうに食べているスープかなにかが、本当に「裏美味シネマ」史上に残るほど不味そうな代物で、ここからして暗雲が立ち込めまくるんです。
そして、同室の女性がヒロインに「ものを食べないように」という忠告。
何が起こるんですか?

当然それは


「船酔い!」



この描写が極悪!



まず、共同トイレを隣の部屋のいじわるに閉めだされてしまったヒロインは、辛抱たまらず廊下に飛び出すんですよ。そしたら消火用のバケツを取り出す。
(ああ、可哀想に……)

と思った観客の同情を180度外角へ打ち飛ばすように、ヒロインが身体を翻すやそこへおしりを叩き込んで……


そう!


「尻」=「ケツ」=「アス」


ですよ。


気持ちが悪くなった人間なら誰しも経験する

「吐き気と下痢が同時に襲ってきて、どっちを解決すればいいんだ!?」

という悪夢そのものの選択です。

こいつをそのままストレートに画面で活写するんですよこの映画。

しかも、この可愛らしいシアーシャ・ローナンがそのまま演じる。こんなどの層に狙いを定めているのかわからない、少なくとも上のポスター目当てで観に来ている人間は間違いなく求めていないエゲツないシーンなんです。


そして、なんとご丁寧にも、そのバケツに向かって(顔を突っ込んで)ゲロゲロゲロとおっぱじめる!

書いていても気持ちが悪くなるようなリアリティ満点の演出に、「そりゃオスカーノミネートでもしとかなきゃ浮かばれねえ」と思うことしきりでした。



そんな映画です。(ウソ)